品薄が続いていたマスクが徐々に店頭に戻ってきた。大手のスーパーやコンビニで見かける機会も増えてきた。4月に異業種が続々と販売に乗りだし、マスクビジネスが活況だった繁華街はどうなっているのか。5月下旬、1カ月ぶりに町を歩いた。
【写真】4月末は3千円以上で売っていたマスクが2千円まで値下がりしていた=2020年5月25日午後、東京都新宿区、江口英佑撮影
■半値以下でも買う人いない
まず東京・大久保に向かった。先月はマスクを求めて人だかりができていた香辛料店。相変わらず店先にマスクが山積みにされていたが、違うのはその値段だ。50枚で1300円。1カ月前は3500円前後だった。半値以下だ。だが、そのマスクを買う人はいないようだった。隣には前回も見かけたデザインの箱入りで、2500円で売られている。男性店員は「早い時期に仕入れたものは仕入れ値が高かったから、これ以上は下げられない。赤字で売ることもある」とこぼす。
大通りに出ると1カ月前と変わらず、タピオカドリンクの店や中華料理店、化粧品店などで売っていた。値段は50枚で2千~3千円と、先月より1千~1500円ほど安い。ただ、ここでも買い求める人はあまりいない。「最終在庫セール」などと銘打って売る店も多い。韓国コスメを扱う店の男性店員によると、5月に入ってほとんど売れなくなったという。この店員は「緊急事態宣言が解除されたら、もう終わり。在庫は従業員で使います」と漏らす。
その足で東京・上野のアメ横商店街に向かった。こちらも眼鏡店、居酒屋、食料品店など約20店でマスクを扱っていた。値段は50枚入りで1600~4千円ほどだ。
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